Friday, February 3, 2017

Tsukiji







「多かれ少なかれ、都市がひとつの像むすんで私たちの前にあらわれる時には、そのイメージの向こうへと投げかけられたさまざまな心の動きがあるように私は思う。もともと都市というものは、それと知らず私たちの身のまわりにまつわりついているものであり、ひとはその中にまき込まれ、そのせいでその存在をたいてい忘れている。自分が服を着ていることを、日常の行動のなかであまり意識しないのと同じように、都市は生活のなかであまりにも身近なものであるために、かえってそれを像として固定することがむずかしい。逆にいえば、都市の本来の活力は、ひとの目の前に自らの姿を対象として客体化される余裕を与えないほどの近さで私たちに寄り添っているときに最も強く発揮されているのだ。」
—長谷川 尭 『建築有情』

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