「人間にとっての自然と技術(人工)は、なかなか分割しきれるものでもない。植林というどこかの誰かがつくった風景も、出会い方によっては、かけがえのない自然になる」
──荒木優太「偶然を語る意志」(DISCO vol.2)リチャード・ミズラックの《Desert Cantos》のレイナー・バンハム(Reyner Banham)による前文は、このようにして始まる。
"The desert that Richard Misrach presents here is the other desert. Not the pure unsullied wilderness 'Where god is and Man is not,'"...
まさにこの点に、わたしがこんなにもアメリカの風景に惹かれる理由があるのだと思う。
建築に興味があるのではなく、ある建築がある時間を経て自然の一部、つまり風景へと返される、その過程にこそ興味がある。