some records of a nondescript landscape / architecture of greatness.
Sunday, September 4, 2016
some random notes about Updike
「ジョン・アップダイクは、自分自身の知りつくしている日常生活に題材を求める作家である。(略)あるいは,日記を読むように過去を振り返ると言ってもいい。天気、外出先、訪問客、パーティ、献立、家庭内の小さな争い、疲労度……というふうに、そこには、雑多で、ありふれた記述がひしめいている。たとえば、それらのなかから、『ハンバーガーとフライド・ポテトとえんどう豆』というような、ありふれた記述に出会うとする。すると、長い時間に押しつぶされてしまって、記憶に残っていない場面がよみがえってくる。献立がひとつのきっかけになって、つぎつぎに空白は埋められ、凍っていた時間が解き放たれる。そこに一つの世界がよみがえり、短編が完成される。」
子供の頃から、どんな小説を読んでも、とるにたらないような、物語の筋とは直接関係がないような細部に惹き付けられる。部屋の窓から何が見えるか、登場人物の飲むコーヒーカップに柄はついているか、あるいはそのクローゼットが何の木材で出来ているか、 等々。
それらは何かの伏線であってはならない、むしろそれらは直接に物語の筋に関与していないからこそ、そこに読み手への解釈の余地が生まれる。きっといつも好きな小説を説明しようとして、うまくいかないのは、自分の好む小説が本質的にそういうありようをしているからなんだろうなとアップダイクを読んでかんがえた。
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